夢を売る男

 

輝かしい自分史を残したい団塊世代の男

 

スティーブ・ジョブズに憧れるフリーター

 

自慢の教育論を発表したい主婦

 

 

主人公の牛河原勘治は人の欲望をえぐり出し、違法まがいな方法で儲けを出す小さな出版社の敏腕編集者で元大手出版社の編集者。

 

今はテレビもDVDもネットもあって、YouTubeで無料でたくさん面白いモノを観られる時代に映像も音楽もない字しか書いていない本をお金を払って誰が買う?

 

売れない作家にちゃんとした大人なんてまずいない。

 

小説は年々売れなくなっているのに反比例して小説家志望が増えているのはブログやSNSで自己を主張する快感を味わって皆が舞台に上がってスターになりたがるけど観客は1人もいないという状況。

 

自社が主催している文学賞では自社刊行本が半分くらい受賞してるんだ

 

大手出版社というところは、本を出すノルマみたいなものがある。会社の都合で、誰にも求めれらない本が生まれては消えていくんだ。本が売れなくなった理由にはそれもある。 

 

結局は金なんだ

 

全部牛河原のセリフだが、牛河原のセリフを使っての百田直樹からの今の出版業界、小説家、読者に向けてのメッセージのように取れて面白い。

 

 

僕は小説を読んでて先が気になって夢中になったり、新しい世界観に触れて自分の幅が広まるような感覚になることがありますが、この本は知らないこと、なんとなく頭にあるけど言葉にできない人間の内面のモヤっとしている部分を言葉で表現されていて読んでいて知的好奇心が満たされるようなかんじ。

 

 

以前あるテレビ番組で、本が売れる1番手っ取り早い方法は、テレビで本が紹介されることってのを観て、どれだけ良い作品でも売れるのには、わかりやすく宣伝されるしかなく、これまでも実はものすごい面白い作品だけど脚光を浴びずに今もなお埋もれてる本はたくさんあるのかなあと思ったり、でも本というのは人に読まれて初めて価値が出てくるものだから……って思ったり。

 

 

 笑いもあり、人間の汚い部分も上手く言葉にされており、フィクションなのか現実なのかどっちなの?ってなる、出版業界の裏側が垣間見れる面白い作品です。

 

 

 

 

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夢を売る男 (幻冬舎文庫)

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