逃げるは楽だが役に立たない

 

マクドナルドで勉強中

 

なにを勉強してるのですか?

 

あ、医学部ですか?

 

と見た目はチャラそうなお兄さんに

話しかけられた

 

そしてあれよあれよと

facebookで友達になることになり

お友達に

 

たぶんこの人

ナンパすごく上手いんだろうな

でもまぁfacebookの友達ぐらい、いいかぁ、と。

 

 

そして2日後

facebookにメッセージの通知が

 

今度友達とクラブに行くんですけど

一緒に行きませんか!?

 

そのときぼくはまだクラブ未経験

クラブ童貞だ

♣️童貞

 

ちょうどその頃

本で「成功する奴はバカみたいにノリのいいやつだ」というフレーズをみて

こういうところで断っていては

これまでの自分から変わらない

と思い、知り合って2日目のまだマクドナルドで

1度しか会ったことのない人に僕のクラブ童貞が奪われることが決まった。

 

当日、近くのコンビニに集合することになった

チャラ兄さんは愉快な仲間たちを連れてくる

とのこと。

ぼくは誰か誘うという発想は全くなく

動きやすい格好がいいのだろうか、とか

ダンスしたことないのでもの凄く浮いてしまうのではないだろうか、とかを心配しながら

Google先生

『クラブ  初心者』と相談してみたりしたが

こういう時に限って

Google先生はあまり的確な答えをくれない

 

よってぼくはとりあえずオシャレな格好をして

待ち合わせ場所にビクビクしながら

キッカリ10分前に到着。

 

到着時間を少し過ぎた頃、

チャラ兄さんと愉快な仲間たち(3人)が現れた

自己紹介をしてみると、

自衛隊屋さんx2とどこだかのOLのお姉さん

 

 

いざ潜入

 

 

第一印象

 

 

難聴。

 

 

 

音がもの凄く大きい。

声が聞こえない、

そして叫ばないと聞き取ってもらえない

 

こうして僕はまず五感を1つと

伝達手段を奪われた

 

 

なにをしたらいいのか分からずとりあえず

チャラ兄さんの後ろをついて歩く

 

チャラ兄さんにクラブでの所作を教えて

もらおうかなぁとか思いながら。

 

そしてカウンターにつきチャラ兄さんと

同じお酒を注文して飲む。

さぁ、いよいよチャラ兄さんからのレクチャーだ。

クラブで女の子を落とす秘訣とかなんやら教えてくれるのだろうと胸を踊らす僕。

 

ここでチャラ兄さんから衝撃の一言

 

 

 

「じゃあ、踊っておいでよ」

 

 

 

 

生まれたての子ライオンを崖から突き落としてきた

 ライオンキングへの道は険しい

 

 

ぼくはなにをどうすればいいのか分からないので所作やら踊り方やらどの辺に行ったらいいとかを教えてくださいと伝えたいが、

爆音の中ではそれを的確に伝える術はなかった

 

 

ぼくは心をきめた

 

 

群雄割拠のライオンの群れの中に

まだ狩りの仕方も知らずに飛び込んだ

とりあえず周りの人がラジオ体操のように

膝をなめらかにカックンカックンしているので

真似をする。

なめらかカックンをマスターしてきて

一安心しようとしたら突然DJが叫びだして

みんなが飛び始めた。

震度2。

先ほどマスターしたなめらかカックンを

あわてて辞めて3テンポ遅れて僕も飛び始める。

膝に悪そうだ。

みんなが片手を上げて飛んでいるので

僕も右手をあげて飛び続ける。

飛び続ける。

 

右手が疲れた。

 

周りに目を光らせながら

僕はサッと左手に変える。

右腕休憩。

 

これでしばらく大丈夫だ、と安心したところで

さらなるトラップが僕に襲いかかる。

 

 

 

 

 

急にジャンプ辞める

 

 

 

僕は安心しきったいたので

周りの人がジャンプを辞めてから

2ジャンプほど余計にしまった。

 

 

周りのライオンたちからの視線が痛い

 

これは困った、

そうだ、チャラ兄さんの方へ一時避難だ!

と思いチャラ兄さんの方を見てみると、

僕の座っていた席に知らない女の子を

座らせてイチャイチャしている。

 

 

恐るべしチャラ兄さん。

 

 

こうして僕はこの後、知らない人に話しかけることもできず、ひたすらなめらかカックンと

参観日の授業中に先生にあててもらいたい子のように手を挙げながらジャンプを繰り返して

クラブデビューを終えた。

 

 

苦いクラブ初体験の思い出だ。

ああいう場ではきっと初対面の人にどれだけ

自然に話しかけることができるかがモノをいうのだろう。

クラブ慣れしてないやつとか、こいつナンパしてるよ、とか思われたらどうしよう

と思った僕の負けだ。

そもそもクラブのような出会いの場には

そんなことを思う人はいないのではないだろうか?(想像)

 

なんでもやったもん勝ち、

恥をかいたもん勝ち、

聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥

 

逃げるは恥だが役に立つ

 

なんて言ってる場合ではない

 

 

逃げるは楽だが役に立たない

 

 

 

 

働く男 (文春文庫)

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ゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していく

ゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していく